
vol.4 カフェ兼住居の家
「いつか一緒にカフェをやりたいね」。私たち夫婦にはそんな夢がありました。
私はお菓子と料理が、夫はコーヒーが得意。今はそれぞれ仕事があるけれど、セミリタイヤしたらどこか田舎ではじめるのもいいね、なんていう空想を楽しんでいました。
なぜ今じゃなかったかというと、私はカフェの取材を10年近く続けているのですが、個人経営のカフェはオープン後3年で約7割が閉店するというデータがあるほど厳しいのが実情。仕事として続けられるのは、技術と才能と根気が備わったひと握りのオーナーだけと分かっていたので、いろんな意味でゆとりの出た老後にはじめようと思っていたのです。



「cafe mel(カフェミイル)」は、季節と身体の巡りを考えた薬膳ごはんと、季節のデザートのお店です。
だけど家を建てる話が持ち上がった時、「自宅をカフェ兼用としておけば、店舗賃貸料が節約できる。せっかくの機会だもの、1階は営業可能な造りにしておこう」と計画を変更。
タカキホームにはそれを踏まえて設計してもらい、昨年春に新居が完成。備品類を揃えてから保健所の実地検査を受け、今年6月、お客さまをお迎えできる状態になりました。

月に1回だけ登場する、カフェの看板。まさに隠れ家カフェです…。
とはいってもふたりとも現在の仕事を続けながらなので、オープンするのは月に1日だけ。おまけに10人も入れば満席という小さなスペースゆえ、完全予約制です。
たった1日の営業日に向け、ひと月の間ふたりで相談を重ねたり、仕込みをしたり、コツコツ楽しみながら準備をしています。慣れないカフェ業務に緊張もしますが、しばらくぶりの知人やコンセプトに興味をもってくれた初めましての方などと出会えるのが、新鮮でなんとも楽しい。
こんなわがままなカフェスタイルが実現したのも、注文住宅ならでは、ですね。

部屋の各所にある、通気口。WBハウスは土壁の原理を応用し、室内の臭いも化学物質も湿気と共に屋外へ排出します。
はじめてみて思うのは、タカキホームの家でよかったなあ、ということ。
建ててから1年以上経ったいまでも、玄関を入ると「木のいいにおいがしますね」とか「杉床の足触りが気持ちいい」とか言ってもらうことがあります。
また、小さな空間でたくさんの料理をつくり、いろんな人が集まるのですが、WB工法のおかげでニオイがこもらずいつもすっきり(WB工法は、昔ながらの土壁が持つ湿気を通す作用を応用し、室内のにおいや化学物質を屋外に排出してくれます)。
以前暮らしていたマンションでは、焼き魚の翌朝はキッチンに入るのが少し憂うつだったのに、今は焼き肉だって魚介類だって、なんでもこい!という気持ち(笑)。
まだまだ未熟なカフェオーナーの私たちにとってこの家は、自信をつけてくれる頼もしい存在です。
WBハウスを体感したいという方、よろしければぜひ一度いらしてくださいね。

月1回・不定期オープンの予約制カフェ
cafe mel カフェミイル
facebook: www.facebook.com/welcome.cafemel
instagram: www.instagram.com/cafe.mel
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター。 著書に「季節の手づくりジャムの本」、「私サイズの小さなカフェ」などがあり、自宅で少人数制のお菓子教室「atelier mel」を主宰する。 東京の郊外に建てたタカキホームの注文住宅で、夫と娘の3人暮し。 https://www.facebook.com/ryouriwatanabeizumi/