vol.10 キッチン・収納問題編
家の中で一番大切で大好きな場所は、キッチン! 前回に引き続き、わが家の オーダーキッチンストーリーです。
Ⅱ列型のキッチン。コンロは壁側、シンクはリビング側です。
フードコーディネーターという仕事柄、調理道具や食材がどうしても多くなりがち。製菓道具は細々していてかさばるし、電化製品は重たい。いかに収納場所を確保するか、というのが課題のひとつでした。
わが家のLDKは10坪弱(間取りについてはこちらをご参照ください)。そのうちの1/3がキッチンです。パントリーがあれば便利なのですが、そんなスペースの余裕はないし…。
天井まである大型収納棚を購入する、両脇に吊り戸棚を取り付けるなど考えてみたものの、圧迫感があるうえ、費用もかかりそう。
開放感がありながら収納力のあるキッチンを、リーズナブルな費用で実現させたい!
そうして出した答えは、
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Ⅱ型キッチンの一方の壁面は、ウォールシェルフの「見せる収納」にして開放感を。
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もう一方の壁面には吊り戸棚を取り付け、「隠す収納」で機能性を重視する。
という、見せる収納と隠す収納のミックススタイル。
持っている調理道具類を書き出してシミュレーションしてみたら、なんとか収まりそう。この際あまり使わない道具は処分して、理想のキッチンに向けて頑張ろう!とモチベーションもあがったのでした。
コンロ側はシェルフで「見せる収納」を。ウォールシェルフもステンレス製で統一しました。
棚を取り付ける位置も、よく考えるべきポイント。見た目がスッキリするのでなるべく上に、でも、踏み台なしでも手が届く高さにしました。
「見せる収納」はホコリが気になりますが、使用頻度が高いもの限定で置く、使う度にサッと拭くということをクセにすれば、問題ありません。
リビング側は吊り戸棚で「隠す収納」。吊り戸棚なしでオープンにすれば開放感も出るだろうな…と迷ったのですが、収納場所確保のために設置しました。でも、この吊り戸棚があることでキッチンとリビングがゆるく区切られ、空間にメリハリが生まれたので、結果オーライ!
吊り戸棚の裏は、黒板塗装をして壁面に。シックなカラーが、部屋を落ち着いた雰囲気にしてくれます。
壁面にタイルを貼ったり、ステンレス素材を贅沢に使ったりしたことから、キッチンは完全に予算をオーバー。
そこで、ウォールシェルフは家具量販店の1つ数千円のものを、吊り戸棚も既製品のものを選び、コストダウンをはかりました。
実はこの吊り戸棚、本来は玄関用のものなのです。棚受けの位置が細かく変えられるものを、と探した結果、耐震ロックもついていてリーズナブルなこちらを見つけました。
ラップや保存袋といった細々したものから家電までぎっしり収納しています。スペースを無駄なく使えて大満足。セレクトに悩んだ時は、目線を変えて探してみると、よいものに出会えるかもしれません。
次回もキッチン編が続きます。
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター、国際中医薬膳師。 著書に「季節の手づくりジャムの本」、「家族ではじめる、小さなカフェ」などがある。東京の郊外に建てたWBハウスで、月に1日だけオープンする「cafe mel」を営む。https://cafemelinfo.wixsite.com/cafemel