
vol.32 春の養生

新型コロナウイルスの影響から、身体を整えて免疫力をあげたいと思う人が増え、薬膳に注目が集まっています。
私の場合、実母の影響で、小さな頃から薬膳・漢方は身近な存在でした。咳が出たられんこんのすりおろし汁を、寒気がしたら生姜と黒糖のホットドリンクをといった具合に、その都度食べもので労ってくれました。
そんな体験もあり、新卒で入社したのは漢方薬メーカー。その後無添加食を取り扱う会社などを経て、改めて学校に入り薬膳・漢方を学び直し、国際中医薬膳師、漢方養生指導士、漢方スタイリストという資格を取得しました。
今回は、春の養生についてお話ししたいと思います。
【春の養生】
—冬の間に溜め込んでいたものをデトックスして、「気」を巡らせましょう—

気候があたたかくなり、動物や植物たちが活動をはじめる春。
薬膳では、冬の間に溜め込んでいた余分なものを、春は排出(デトックス)する季節とされています。身体が重い、だるい、便秘気味といった「なんとなくの不調」は、うまくデトックスできていないことが原因かもしれません。
デトックスにおすすめなのは、ふき、菜の花、ルッコラ、パクチー、大葉、アスパラガス、緑茶といった苦みのある食材。消化吸収を促し、肝機能の働きを助けるキャベツもよいですよ。
今が作り時! ふき味噌
コラム23でレシピを紹介しています。

作り置きに! キャベツのナンプラー和え
【材料】
キャベツ1/2個
A(ナンプラー・レモン果汁各大さじ1と1/2、ごま油・砂糖各小さじ2)
かつおぶし一袋

【作り方】
(1)キャベツは大きめのひとくち大に切り、耐熱ボウルに入れてふんわりとラップをします。
(2)電子レンジで5分加熱し、水分を切ります。混ぜたAをまわしかけ、かつおぶしを加え、よく混ぜます。
※ナンプラーはメーカーによって塩分が異なるので、味をみて調整してください
また、春は「気」が活発に動くので、注意が必要な季節でもあります。
気がうまく流れないと、「気」が高ぶってイライラしたり、「気」が滅入って落ち込んだり、「弱気」になって不安になったり。自律神経が乱れて、いわゆる「五月病」になりやすくなります。落ち込みすぎたら「季節のせいだ」と思うようにすると、少し楽になるかもしれません。
気の流れを整えるには、香りのある食材がおすすめです。ハーブ、香味野菜、柑橘類、セロリ、大葉、みょうが、ミント、八角などを取り入れましょう。軽いストレッチも効果的です。

レモンやオレンジなど、柑橘類はそのさわやかな香りをかぐだけでも、気が巡ります。

干した無農薬みかんの皮(陳皮)とローズマリー、はちみつに熱湯を加えた、簡単薬膳ハーブティー。気の巡りをよくして、ストレスを緩和してくれます。自家製でなくても、好きな香りのハーブティーやお茶でもよいですよ。
新型コロナウイルスの影響もあり、例年以上に気持ちが乱れやすいと思います。
デトックスで余分なものを出し、体内の気を巡らせる。ちいさなハッピーを見つけながら、気持ちの良い季節を楽しみたいですね。
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター、国際中医薬膳師。 著書に「コーヒーショップをつくる」(旭屋出版)などがある。東京の郊外に建てたWBハウスで、月に1日だけオープンする「cafe mel」を営む。
HP https://www.cafemel.com/
YouTube https://www.youtube.com/c/cafemel
おうち時間を楽しむエトセトラ index
vol.1
vol.2
vol.3
vol.4
vol.5
vol.6
vol.7
vol.8
vol.9
vol.10
vol.11
vol.12
vol.13
vol.14
vol.15
vol.16
vol.17
vol.18
vol.19
vol.20
vol.21
vol.22
vol.23
vol.24
vol.25
vol.26
vol.27
vol.28
vol.29
vol.30
vol.31
vol.32
vol.33
vol.34
vol.35
vol.36
vol.37
vol.38