
vol.23 手作りみそ、はじめませんか?

毎日の食事に欠かせない、みそ。
おみそ汁をはじめ、炒め物や煮物などいろいろなお料理に使う、頼れる調味料。各ご家庭で、お気に入りのみそがあるかと思います。
わが家はここ10年ほど、みそは手作り派。作るのに時間はかかりますが、案外簡単だし、何よりおいしい!
みそ作りによい時期は、1月〜3月です。この時期に仕込み、暑い夏、涼しい秋を経て、ゆっくり10ヵ月ほど熟成させる。そのことで、深い旨みとコクが生まれるのです。
さあ、今年は手作りみそに挑戦してみませんか?
みそ
【材料】
(出来上がり量は約4㎏)
大豆 1㎏
米こうじ(乾燥) 800g
塩(自然塩) 400g
みそ 200g
※はじめての方は、まずは半量で作ると楽です。
※米こうじはスーパーで手に入りやすい乾燥タイプが便利。戻さずに使用するので、10ヵ月以上熟成させましょう。
※みそは酒精やアルコールが入っていないものを選びます。出来上がっているみそを加えることで、発酵がスムーズに進みます。
※仕込む容器は、5リットル前後の大きなサイズがおすすめ。なければ小さめの容器に小分けにしてもよいでしょう。清潔なものを用意します。
【作り方】
(1)
大豆は水洗いをします。たっぷりの水を注ぎ、そのままひと晩おきます。
2倍以上の大きさに膨れるので、大きな鍋やボウルに入れましょう。

(2)
新しい水に替えて火に掛けます。沸いたら中弱火で大豆が柔らかくなるまで煮ます。途中で出たアクは、取り除きましょう。
水を足しながら3〜5時間を目安に、指で簡単に潰れるまで煮ます。
時間はかかりますが、ここで柔らかくなるまでしっかり煮ると、次の作業が楽になります。

(3)
ザルにあげて湯を切ります。この時、煮汁を2カップ分取っておきましょう。
熱いうちに大豆をペースト状に潰します。フードプロセッサーが便利ですが、ない場合はマッシャーやすりこぎなどを使ってください。固くて潰せない場合は、取っておいた煮汁を少しずつ加えます。

(4)
大きめのボウルに米こうじを手でほぐしながら入れます。粒がほぐれたら塩を加え、よく混ぜます。

(5)
3の大豆が冷めたら、4とみそを加え、全体をよく混ぜます。
なるべく空気を入れないようにしながら、少量ずつ容器に詰めます。
最後は手でしっかり押さえて表面を平らにし、すき間のないようラップで覆います。

(6)
2㎏程度の重石をのせます。わが家では毎回、塩1㎏袋を清潔なジッパー付き保存袋に入れ、それを2つ並べています。上を紙(新聞紙でも)で覆い、ゴムやヒモでしばります。
日陰の涼しい場所で10ヵ月熟成させます。発酵を促すため、途中で中身の上下を返す「天地返し」をするとよいと言われていますが、家庭用では特に不要です。
開封した時、表面にカビが出ていても、その部分のみ取り除けば大丈夫です。

じっくり熟成させたみそは、ふくよかでいい香り!
まずはそのまま味見をして、次はお味噌汁に。旨みが強いので、市販の出汁粉末は使わなくなります。
みそのアレンジとして、この時期におすすめなのは、ふきみそ。
こちらの作り方もご紹介します。

ふきみそ
【材料】
ふきのとう 100g
みそ 80g
酒 大さじ2
砂糖 大さじ1
ごま油 大さじ1
【作り方】
-
ふきのとうは水でよく洗ってから、粗みじんに刻みます。
-
フライパンにごま油をしき、1を中火で炒めます。しんなりしたら酒と砂糖、みそを順に加え、弱火で水分がなくなるまで炒めます。

ごはんのおかずにぴったりな、ふきみそ。焼きおにぎりにしてもいいですし、生クリームでのばしてパスタソースに使ってもおいしいですよ。
毎日の食卓が贅沢に感じる、みそ作り。はじめるなら今の季節です、ぜひお試しくださいね。
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター、国際中医薬膳師。 著書に「コーヒーショップをつくる」(旭屋出版)などがある。東京の郊外に建てたWBハウスで、月に1日だけオープンする「cafe mel」を営む。
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