“ガーデニング霊園のいせや”が作った
武蔵小金井駅前のカフェラウンジ
vol.14 株式会社いせや ロゼリア・ラウンジ
季節の花と緑に囲まれた、“癒やされるガーデニング霊園”で知られる『株式会社いせや』。
美しいバラのアーチや、スペインのアルハンブラ宮殿を参考にした噴水、くつろげるオープンテラスと、いままでにない霊園のスタイルを提案しています。
これらはすべて、訪れる人を真摯にもてなしたい、お客様の心に寄り添いたい、という気持ちからうまれたこと。「気持ちが落ち着く」、「毎年バラの開花が楽しみ」といった声が多く寄せられるそうです。
そんな同社が、今夏新しくオープンしたのが「ロゼリア・ラウンジ」。お客様が気軽に立ち寄ってお茶をしたり、終活について相談したり出来る、カフェスペースです。
JR中央線 武蔵小金井駅 徒歩3分の場所にオープンした、ロゼリア・ラウンジ。お買い物の後や、お散歩の途中で立ち寄り、おいしいコーヒーでひと息つくお客様が多いそうです。
店内は車椅子の方にも配慮したバリアフリー設計。
ロゼリア・ラウンジがあるのは、武蔵小金井駅前にある商業施設『So CoLa(ソコラ)武蔵小金井クロス』の1階。多摩地域に多くの霊園をもつ同社にとって、地元といえる場所です。
設計を担当したのは、同じ小金井市に事務所を構える『上原和建築研究所』の代表、上原和さん。地元の活性化や社会活動にも積極的に取り組む建築士です。
上原さんが考えたのは、“伝統の継承と未来の創造”をテーマにした、白い漆喰ドームがいくつか建ち並ぶ個性的な内装。おおらかな曲面や、木の格子天井が、親しみやすい雰囲気を加えます。
「ドームの立体的な曲線は、非常に難しい施工。最初から、知識と技術を兼ね備えたタカキホームに頼もうと決めていました。何度も一緒に仕事をしていて、絶対の信頼感がありましたから」と上原さんは話します。
ドームの製作途中。美しい曲線の梁が見事です。これを隠してしまうのはもったいない、という声も出たほど。タカキホームの熟練大工の腕が光ります。
施工で特に苦労したのは、やはりドームの製作。ひとつのドームに対して形状が異なる梁を30本以上用意し、それらをぴったりと組み合わせる。少しでもズレが生じるとすべてが崩れるため、緻密な計算と繊細な技術が必要でした。
「大変な作業でしたが、タカキホームもいせやの皆さんも常にポジティブだったおかげで、一致団結して前向きに取り組めました。イメージ通りに出来た時は、心からほっとしました」と上原さんは振り返ります。
丸みを帯びたドーム型は、ヨーロッパの古いお墓の造形がモチーフだそう。
漆喰壁で覆われたミーティングルーム。やさしく包み込んでくれるような、落ち着く空間です。
ドームは4つあり、それぞれ、受付兼事務室、ミーティングルーム、バーカウンター、トイレとなっています。メインとなる客席の床はウォールナット材ですが、ドーム内にはそれぞれ異なる床材を使用することで、入った時の印象が変わります。
ミーティングルームは、ドアを閉じるとプライベート空間に。あえてラフに塗装した漆喰壁が温もりとなり、終活についてもポジティブな気持ちで相談が出来そうです。
一番奥にあるバーカウンターは、福利厚生のひとつとして、いせや社員のために作ったもの。仕事が終わってからのコミュニケーションの場として活用されているそうです。お客様も社員も大切にする、という企業理念から生まれました。
天井の格子は無垢の杉材、ドームの壁は漆喰、柱はヒノキ材など、自然の素材を多用している空間。常駐するスタッフも「空気がきれいで居心地がとてもいい」と、喜んでいるそうです。
Gardening
ガーデニング霊園のいせや
まもなく創業100周年を迎えるいせや。多摩地域をはじめ全国に、花と緑でいっぱいの“毎日来たくなる霊園“をつくっています。
「花小金井ふれあいパーク」
「小平ふれあいパーク」
「府中ふれあいパーク」
「秋津ふれあいパーク」
Gardening
ロゼリア・ラウンジを訪れるお客様には「こんな空間見たことないわ、おしゃれで居心地が良いわね」と、ご満足いただけているそう。
当初予定していたラウンジでのコンサートなどは、コロナウイルスの影響を鑑みて延期となっていますが、来年以降、状況を見て開催を検討したいとのこと。お客様同士のコミュニケーションの場、ふれあいの場にもなるようです。昔から大切にしてきたことを守りつつ、新しい価値観を提案するロゼリア・ラウンジ。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。
コーヒーに添えられる、繊細な切り絵。「お客様におもてなしの心を伝えたい」と、ラウンジスタッフがひとつずつハサミで作っているそうです。
いせや ロゼリア・ラウンジ
場所 東京都小金井市本町6-2-30
ソコラ武蔵小金井クロス1F
営業 10:00〜16:30
定休日 水曜
延床面積 126.12㎡
設計 上原和建築研究所
about
the Architect
建築家
上原 和さん
うえはら かず
1級建築士
1977年小金井市生まれ。2006年に上原和建築研究所を設立。小金井市における「空き家活用PROJECT」やミャンマーに良質な住宅を提供する「Smart Japan」など、社会活動も積極的に行う。
親しみやすく温和な人柄で、各方面から慕われている。
上原和建築研究所
取材・文
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター、国際中医薬膳師。 著書に「コーヒーショップをつくる」(旭屋出版)などがある。東京の郊外に建てたWBハウスで、月に1日だけオープンする「cafe mel」を営む。
https://www.cafemel.com/
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