エアコンなしでも快適に暮らせる、

パッシブハウス

 vol.2 小平市Tさま邸 

タカキホームの良質な木材をふんだんに使用した内装。住みはじめて3年目、杉の無垢フローリングもよい色に育っています。

連日30度を超す暑さが続く、7月中旬。2014年春にタカキホームで注文住宅を建てた、Tさんのご自宅を訪れました。

エアコンがないということを事前に聞き、汗ふきタオルを持参しての訪問だったのですが、玄関の土間に入った途端に感じるスゥっと涼しい風。

「家中の窓を開けると風が吹き抜けて、熱気が溜まらないんですよ」とTさんが出迎えてくれました。 スケルトン階段で2階のリビングにあがると、やはりこちらも心地よい空気が流れています。直射日光がさえぎられ、まるで木陰にいるように爽快です。

「夏は直射日光が入らず涼しく、冬は日差しがたっぷり入り暖かい。暮らしやすい家ですね」そう言ってにっこり笑うご夫婦からは、家への愛情を感じます。

ガルバリウムの外壁。グレーに植物の緑色が映えます。

夏涼しく冬暖かいのは、季節ごとに変化する太陽の位置を考慮して、窓の高さやひさしの長さが計算されているから。

この家を設計した建築家の古市久美子さんは「なるべく電気に頼りたくないというご要望を受け、光や風といった自然の力を利用した家造りを考えました。エアコンを使わず暮らすには住み手側の工夫も必要なのですが、Tさんご夫婦は水打ちをしたり、窓際の植物をグリーンカーテンのようにしたり、ハッカを掃除に取りいれたりと、楽しみながら実践されています。私も会う度に教わることが多いんです」と話してくれました。

立ち話の止まらない私たちに「どうぞ座ってください」と奥さまが出してくれたのは、凍ったおしぼりとキンキンに冷えたアイスコーヒー。体感温度が一気に下がります。

冷凍庫で凍らせたおしぼり。アイスコーヒーはご主人がハンドドリップして冷やしたもの。おもてなしの心を感じます。

Tさん宅に教わる、エコに夏を乗りきるアイデア

ECO Ideas

to survive the summer

階段下の北側窓前に扇風機を上向きにして置き、北のひんやりした空気を2階にあげます。

南側のベランダには植物を並べ、グリーンカーテンのような役割を。夏は直射日光が入ってこないようにひさしの長さが設計されています。

2階の天井にあるシーリングファンは、年中回しています。夏と冬で羽を逆回転させることで、夏は下からの涼しい空気を上にあげ、冬は暖かい空気を下におろす効果が。

北側の天窓は採光のほか、夏の暑い空気を逃す役割があります。

西側の壁にはホップを這わせ、夕方水をまくことで西日をやわらげます。

ハッカオイルを少し混ぜた水ぞうきん(固く絞ったもの)で床をふくと、スーッと清涼感が得られます。

ホコリが溜まると暑さを感じるので、電気を使わず、ホウキでサッとお掃除。すてきなホウキは、インテリアにもなっています。

庭の木に吊されるガラスの風鈴。ちりりん、という音色に涼を感じます。

ECO Ideas

to survive the summer

これまで支払ってきた家賃が一千万円を超えていることに気付いた時、家づくりを考えはじめたというTさんご夫婦。

建築家の古市さんと出会ったのはそれから数ヶ月後、タカキホームが主宰した住宅イベントでのことです。

良質な木材を使う工務店と、パッシブデザインが得意な建築家、そして自然素材を利用した家造りを望む施主。3者の打合せはいつも和やかで、「特別な事があった訳ではないけれど、楽しかった印象だけが残っています」とTさんは振り返ります。

「タカキホームには土地探しの相談をしたり、設備機器のショールームに連れて行ってもらったりと長期に渡りお世話になりました。知り合ってから家が完成するまで2年ほどかかっているのですが、いつもこちらを尊重してくれ決断を急かされることがなかった。私たちにはそういうところも合っていました」。

玄関の前に植えられたコナラの樹も、3年でぐんぐん育ちました。

キッチンの窓際に飾られるハーブが、さわやかな印象。

「ここに住み始めてから、四季をはっきりと感じ、健康的に暮らせるようになりました。たとえ外でつまらないことがあったとしても、この家があると思うと安心できるし頑張れる。前の暮らしも悪くなかったけれど、やっぱり今の方がずっといいですね」。そう口を揃えるおふたりの姿は、自然体で爽やか。

さまざまな工夫で、日本の蒸し暑い夏をエアコンを使用せずに過ごすTさん。冬はどうするかというと、実は玄関すぐの土間に、ご主人たっての希望で設置した薪ストーブがありました。

夏も「見るだけで落ち着く」という、Tさま邸には欠かせない存在となっている薪ストーブ。

雪の降る日だってこれ1台で家中ポカポカ、暖をとるだけでなく料理やリラックス効果もあるそうで…。 長くなりそうなので、この話はまた別の機会にご紹介させてくださいね。

小平市Tさま邸

構造 木造在来工法
地上2階建
敷地面積 85.30㎡
建築面積 33.94㎡(建ぺい率39.79%、許容40%)
延床面積 66.23㎡(容積率77.64%、許容80%)
 1階 33.94㎡
 2階 32.29㎡
設計:古市久美子建築設計事務所

about

  the Architect

建築家
古市 久美子さん

ふるいち くみこ

Tさま邸を設計した女性建築家。

材料、土、風、熱、気候の特性をいかした

パッシブデザインが得意。

気さくな人柄で、小さな事にも親身になって

相談にのってくれるとまわりからの信頼も厚い

三児の母でもある。

古市久美子建築設計事務所

http://www.furuichikumiko.com

取材・文

渡部和泉 わたなべ いずみ

ライター、フードコーディネーター。 著書に「季節の手づくりジャムの本」、「私サイズの小さなカフェ」などがあり、自宅で少人数制のお菓子教室「atelier mel」を主宰する。 東京の郊外に建てたタカキホームの注文住宅で、夫と娘の3人暮し。 https://www.facebook.com/ryouriwatanabeizumi/

“タカキホームの家で暮らしています”  index

vol.1 ガーデニングを楽しむ、花いっぱいの住まい ―小金井市Yさま邸―

vol.2 エアコンなしでも快適に暮らせる、パッシブハウス ―小平市Tさま邸―

vol.3 急な来客にも慌てない、いつでも歓迎できる家 ―小金井市髙木邸―

vol.4 タカキホームの「キホンの家」、モデルハウスの見所 ―東大和市モデルハウス―
vol.5 
薪ストーブのある暮らし パッシブハウス・冬編 ―小平市Tさま邸―

vol.6 この先も安心して暮らせる、平屋のような2階建て ―小金井市Tさま邸―

vol.7 母と娘の創作基地は「パオ」のような8角形の家 ―所沢市Kさま邸―

vol.8 前居の建具を引き継いだ、北欧風の大人かわいい一軒家 ―三鷹市Oさま邸―

vol.9 はけのふもとに建つ、瓦屋根の文化住宅 ―小金井市Kさま邸―

vol.10 人と人、空間と空間をつなぐ、スタイリッシュな3階建て ―小金井市Yさま邸―

vol.11 築30年の実家をシンプルでナチュラルな空間にリフォーム ―西東京市Yさま邸―

vol.12 西荻窪の居抜き物件を、パステルカラーの刺繍教室兼ショップにリフォーム ―杉並区西荻窪『Atelier アンナとラパン 刺繍道具店』―

vol.13 中古戸建てを建築家とともにリフォーム。グレーが基調の洗練された室内 ―西東京市Gさま邸―