中古戸建てを
建築家とともにリフォーム
グレーが基調の洗練された室内
vol.13 西東京市Gさま邸
築26年の中古戸建てを購入し、室内を大幅リフォームしたGさんご夫婦。グレーでペイントされたシックな空間は、外国のデザイナーズホテルのよう。モールディングを取り入れたり、トーンの異なるグレーを塗り分けたりすることで生まれる陰影が印象的です。
「外観はリフォームをしなかったので、みなさん、家の外と中とのギャップに驚かれるんですよ」と、奥さまが教えてくれました。
静かな住宅地に建つ一軒家。南向きで、温かな日差しがたっぷり入ります。
木目が美しい一枚板のダイニングテーブルは、奥さまがご両親から譲り受けた天板。存在感があります。テーブルや床の間の花は、師範の資格をもつお姉様が、庭の椿や千両をつかって生けてくれたそうです。
イギリス人のご主人とゆったりした暮らしを楽しみたい。そう考えたとき、家づくりのパートナーとして浮かんだのがタカキホームでした。
「姉がタカキホームで建てた家に住んでおり、信頼できる工務店だとおすすめされていて。すてきな住まいでしたし、他の選択肢は考えませんでした。設計は知人の建築家、早草睦惠さんにお願いしました」と奥さま。
「広くて静かな家がいい」というご主人の希望で見つけたのは、閑静な住宅街に建つ中古物件。しっかりした造りで状態もよかったので、建て替えずにリフォームを施すことになりました。
シューズクロークやニッチ棚など残せるものは残しつつ、寝室の天井を抜いて開放感を出したり、洗面室をシャワールームに変えたりと、希望は全て実現。天井と床下には断熱材をしっかり入れ、機能面もアップさせました。
仕事柄所持品が多いというGさんですが、造り付けの家具にすることできれいに収納でき、生活感が出ないホテルライクな家になりました。
ご主人の得意料理はカレーで、週に1度は必ず作るそう。「おいしいし、飽きないんですよ」と奥さま。
家のメインは、広々としたダイニングキッチン。「料理をするのも食べるのも大好き」というおふたりは、揃ってキッチンに立つことも多いため、シンクが2つある大きなアイランドキッチンをオーダー。友人を招いておもてなしする際は、ご主人が前菜、奥さまがメインと手分けをして料理するそう。
ワークトップは常にすっきりさせたいと、調理道具や調味料はすべて引き出しの中に。収納物のサイズに合わせて造作しています。ミーレの大型食洗機もビルトインされており、調理から片付けまでの動線がとてもスムーズ。正面壁面にはテレビがあるので、映像を見ながらじっくり煮込み料理を作ることも。
奥さまは和洋中問わず料理全般のほか、オーブンを使ってパンやお菓子まで作る腕前。いずれはここでお料理教室をする夢もあるそうです。
食器が大好きで、つい集めてしまうという奥さま。北欧のものを中心に、日本の作家もの、エスニックなものなど、ジャンルにとらわれずご自身の審美眼でセレクトされています。
Before After
リフォーム
約3ヵ月のリフォーム工事で、ここまで変わりました!
ダイニングキッチン
床はオーク材に貼り替えました。自然塗料で仕上げています。イスは建築家がセレクトした、デンマークのインテリアプロダクト「HAY」のもの。
和室
畳をはずしてサイザル麻を床材に。枠の細い障子に変えることで、モダンな印象を受けます。
ゲストルーム
イギリス製のシャビーな色合いのペンキは、独特の世界観をつくりあげます。
ワークルーム
エディターとライターをされている奥さまの仕事部屋。書籍に合わせて棚を造作。
寝室
天井を抜き、開放感を出しました。風水に知見が深い奥さまのリクエストで、収納棚の1箇所は隣室と通じるようになっています。
漆喰の壁がナチュラルな雰囲気。
玄関
シューズクロークは、本体はそのままで扉のみを取り替え。スタイリッシュな色のコントラストが、気分をあげてくれます。床にはオールドキリムを。
洗面室
2階にはご主人専用のシャワールームがあります。
トイレ
窓枠以外全て新しくしました。清潔でシンプル、落ち着ける空間です。
Before After
住み始めてからちょうど1年。何か困ったことがあればすぐに対応してくれるタカキホームに依頼して本当によかった、と語るGさんご夫婦。
「想像以上に快適な暮らしです。以前はリラックスするためにホテルに泊まることがありました。だけど今はホテルよりも自宅の方がずっと落ち着く。旅行に出かける機会が減りました」と笑いながら話します。
ガーデニングが大好きなご主人は、巣箱を造ったり、木を植えたりと庭のDIYを継続中。そのうち鳥が来てくれるかな、と笑顔で話すおふたりの姿は、とてもやさしくてあたたか。ひと足先に、春の気配を感じたのでした。
西東京市Gさま邸
リフォーム
構造 木造在来工法
地上2階建て
延床面積 116.44㎡
完工時築年数 築26年
設計 Cell Space Architects
about
the Architect
建築家
早草 睦惠さん
はやくさ むつえ
1級建築士
建築設計事務所、セルスペース代表。住宅や別荘建築を中心に、集合住宅、オフィス、文化施設、ランドスケープ、家具など幅広く展開している。第15回モダンリビング大賞、第47回中部建築賞など、多数の受賞歴がある。
Cell Space Architects
取材・文
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター、国際中医薬膳師。 著書に「コーヒーショップをつくる」(旭屋出版)などがある。東京の郊外に建てたWBハウスで、月に1日だけオープンする「cafe mel」を営む。
https://www.cafemel.com/
“タカキホームの家で暮らしています” index